学校長挨拶

 平素より本校教育活動に対しまして、ご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 本校は、明治40年に河沼郡立農業学校として創立され、福島県立会津農林学校に、昭和23年学制改革に伴い坂下高等女学校を合併して会津農業高等学校に、昭和29年には普通科を坂下高等学校として分離し、よく30年に会津農林高等学校となり今日に至っております。今年で創立116年目をむかえ、「誠実・勤勉・忍耐」の校訓のもと、長い歴史の中で培われてきた伝統や校風は、脈々と受け継がれております。現在、「農業園芸科」・「森林環境科」・「食品加工科」の3学科を有し、様々な体験をとおして確かな学力はもとより、主体的に判断し行動できる資質や能力を育成するとともに、命の大切さや思いやり、他者を慈しむ心など豊かな人間性を育てて参りました。これまでに22,241名を輩出し、農林業界はもとより、政官界、実業界、教育界で会津地域のみならず、広く国内外で活躍しております。

 来年度は、耶麻農業高校との統合により、会津地域の農業拠点校として高い専門性を身につけ、6次産業化に対応した地域の農産業を支える人材を育てる学校として新たにスタ-トします。それに伴い、新たな実習棟や牛舎等の新設及び食品加工科棟・木工室の改修をはじめ教育環境の整備を行い、最先端の農業技術や大学と連携した醗酵・醸造についての学び、6次産業化に対応すべく学科の強みを活かした協同プロジェクト学習等を実施する予定でいます。

 そんな中、本校生には、大きな夢に向かって、挑戦していただきたいと思っています。「吉田松陰」が残した言葉に「夢なき者に成功なし」とあるように、人生の節目となる今だからこそ、挑戦することでたくさんのことを学び、夢を掴み取って欲しいと思っています。挑戦することで、成功することの喜びや充実感、達成感を得ることができるし、成功しなかったとしても、失敗ではありません。そこからたくさんのことを学べます。生徒にとって失敗とは、何もしないこと、行動しないこと、そしてあきらめることだと思っています。ひたむきな努力は、自分自身を大きく成長させるだけでなく、いつしか人の心を動かし、人に勇気や感動を与えることに繫がることもあります。自分の可能性を信じ、あきらめることなく挑戦していただきたいと思っています。

 現在もコロナ禍にあって、様々な制限を受けた中での生活を送っておりますが、何が正しい情報なのかを見極め、何をすべきか、何をすべきでないかを冷静に判断し、今後も、感染防止対策と学びの保障・教育活動の継続の両立を図っていきたいと考えております。

 これからも、「農業教育をとおして、たくましく、社会で生き抜く力の育成」に全力であたってまいりますので、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

            福島県立会津農林高等学校長 佐藤 文男